ビストロ アンリ― (三宮)

ハプニングの連続にシナリオ総崩れ

 

昼間の蕎麦で露払いしたあとは、こちらのお店でクリスマスディナー。

例のグルメサイトによりますと(またかよ)、けっこう人気とのことでかなり前から予約していたんだけどね。

 

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まさかあんなハプニングに見舞われようとは...

 

結論からいいますと、やっぱりふつうに高級フレンチにしとけばよかった...。

 

まずくなければ多少のことには目をつぶる大らかな心の持ち主の私だけど、これはちょっとどうなのよ?と思うことがふたつあった。

 

18時の開店と同時に入って、店員のお姉さんに名前を告げたんだけどー

 

店員「お名前がございません」

私 「(かなり困惑気味に)え、そんなことないと思うんですけど...」

店員「別のお名前でご予約されていませんか?」

私 「いや、その名前ですよ。自分で予約したので...」

店員「すみません、少々お待ちください」

 

お姉さん、裏に引っ込みしばらくして戻ってくる。

 

店員「あ、お名前ございました。こちらです」

 

いやいやいやいや、まずはちゃんと謝れよ!!!

クリスマスイブのディナーを予約して盛大にカッコつけようと思ったところを出だしでつまづかせといて、テヘ(^^;じゃねーんだよ!!!

だいたい違う名前で予約するわけねーだろ!!!

 

なにこの仕打ち。

こんな失礼な店はじめてだよ。

-2万点だよ、2万点。

入る前に冗談で、「予約取れてなかったらどうする?」「なにそれ、ウケるー」ってやりとりがあったんだけど、エスパーかっつーの。

 

怒りと興奮を抑えつつ席について気づいたんだけど、この店くちゃーい。

古い油の臭いというか、こんな不快な臭いのするフレンチレストランは中崎町の「セルクル」以来、って割と最近じゃないの。

壁とかテーブルクロスとかトイレとかなんか不潔なんだよね。

出てくる皿も汚いし。

中華料理じゃないんだからさ。

 

 

この日はクリスマス特別価格ということで1人7450円のディナーのみ。

さらにドリンクとして、ペリエ(400円)とジンジャエール(400円)を頼んだんだけど、これが後々命取りになろうとはこの時点で気づくはずもなかったのでした…。

 

で、本日のコース内容がこちら。

 

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小さくて読めないorz

 

値段の割には充実したラインナップ。

スペシャル”と銘打ってるだけありますな。

 

まずはアミューズから。

 

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かぶらのムース キャビア添え

 

おいしいことはおいしいんだけど、かぶら感はないかな。

キャビアもほんのちょんぼりだからあっという間。

味付けは濃いめで繊細さはない。

 

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 帆立貝とマンゴのミルフィーユ仕立て

 

オードブルはホタテ

はっきり言ってビミョー。

干してあるホタテを戻したのか肉が薄く固いので歯ごたえが悪い。

それとも焼きすぎかな。

マンゴのソースもホタテを引き立てているようには感じなかった。

スーパーで売ってる生ホタテの方がうまい。

 

スープは置かれた瞬間からカニの香りがプンプン。

 

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ワタリ蟹のビスク エストラゴン風味のカプチーノ仕立て

 

むせ返るようなカニの香り。

これはカニ好きにはたまらん。

ビスクなので濃厚。

でも大味というかしょっぱいというか、これも味が濃すぎるんだよな。

喉が渇きそう。

 

スペシャルディナーらしく続いてはフォアグラの登場。

 

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フォワグラのポワレ ポルトのレデュクション

 

これはうまかった!

ヘタなフォアグラだと脂ギトギトで食べられたもんじゃないんだけど、これはくどくないのに濃厚という絶妙のバランス。

ソースとの相性もばっちりだし、かなりいい素材を使っていると見た。

 

メインの魚はオマール海老のローストとスズキのポワレ。

スズキがメニューに載ってないってことに今気づいた^^;

 

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スズキのポワレ

 

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オマール海老のロースト カダイフ包み トリュフ風味

 

蒸し焼きのスズキはほろほろで、火の通り具合もちょうどいい。

トリュフの風味が白身魚のさっぱり感を引き立ててベリーグッド。

 

オマール海老は反対に火の入れすぎ。

身が固くなっちゃってて、味もそっけもない。

こっちは失敗だな。

 

このタイミングで口直しにシャーベット。

フォアグラの後の方がよくないかな。

 

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カンパリレモンのグラニ

 

酔っぱらうかと思ったけどアルコールはほとんど感じなかったので大丈夫。

味は可もなく不可もなく。

 

肉料理のメインは和牛サーロイン。

 

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特選和牛サーロインのグリエ シャンペルタンソース

 

焼き具合はレア。

なんだけど、柔らかいというよりぐちゃっとした食感。

そのうえ少し筋張ってて、これが特選和牛かと言われるとクエスチョンマーク。

つけ合わせの野菜も特筆すべきものはなかった。

 

最後はデザート。

 

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ホワイトブュッシュとベルギーショコラのアイスクリーム

 

実力のある店はデザートまで一切手を抜かないんだけど、ちょっとさびしすぎない?

確かにアイスはベルギーチョコレートの濃厚な風味がしたし、ケーキもそこら辺に売ってるものよりはうまかったよ。

だけど、フレンチ食った!って満足感は最後のデザートの出来に左右されるところが多いということを考えると、見た目も味も物足りないと言わざるを得ない。

 

ただ、全体的な味付けはよかった。

繊細さや丁寧さはなかったけど。

たぶん実力はあるんだと思う。

でも、残念ながらお一人様7450円以上の満足感はなかったな。

良くも悪くも価格通り。それ以上でもそれ以下でもない。

ビストロの評価を覆してくれるのではとひそかに期待していたんだけど。

クリスマスって時期が悪かったかも。 

 

それはそうと、ハプニングだよハプニング!

クリスマスデートは締めが肝心じゃない。

友だちがトイレに行っている間にスマートに支払いを済ませ、戻ってきた彼女にコートを着せてさっそうと店を後にするというのが私が描いたシナリオ。

懐からサッとカードを取り出し、チェックプリーズとやったまではよかったんだけど…

 

カードを受け付けてないのよこの店!バンバン!(テーブルを叩く音)

 

一瞬、焦ったがそこは百戦錬磨のジェントルマン。

こんなこともあろうかと多少の現金も持ち合わせてきたのだが…。

 

合計15700円の料金に対し、持ち合わせは15200円。

 

500円足りない...誰か貸して…。

 

飲み物分を計算してなかったというまさかの大失態!

 

彼女がトイレから戻ってくるのを待つ間、針のむしろ状態だったよ。

天使のような笑顔で出してくれたから良かったものの、フレンチレストランでカード使えないってあり得る?

聞いたことないんだけど。

予約の確認は怠る、カードは使えない、食事する以前の問題だよ。

クリスマスイブに男に恥かかせてどうすんの。

 

やっぱり、こういう特別な日はちゃんとした店を選ぶべきだと思ったよ。

 

勉強になりました。

 

★★☆☆☆

 

訪問日:2016年12月24日