まき埜 (福島)

2017年最初の一枚はここ

 

この私としたことが、2017年一枚目の蕎麦にありつくまでになんと7日!すなわち1週間も要してしまった...。

波乱を予感させる幕開けとなった今年、いったい何枚の蕎麦に辿り着けるのであろうか。

それもこれも、初詣で半吉というなんとも中途半端なおみくじを引いてしまったせいなんだよ。

だいたい“半吉”てなんだよ。もう。

 

ともあれ、出だしでいきなりがっかりもなんだから、今回は前にも行ったことがあり、そこそこ信頼のおける無難な店を選んでみた。

 

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いつもながらおしゃれな外観

 

大阪駅からグランフロントを超えて、何に利用するのかわからない広大な空き地と線路の間を西へ向かって10分ぐらい歩くと辿り着く。

一見さんお断り風のこの店は、某グルメサイトでかなりの高評価なんだけど、正直そこまでかなというのが私の意見。

以前来たときにはあった鯖寿司はもうやってないみたい。

“そば”に“さば”なんて言葉が似てるだけで、相容れない組み合わせだからそれは正解。

 

前回の印象としては、まあふつうにおいしいという感じだったけど、久しぶりに来た今回はどうだったかと言いますと―

 

変わらず、まあフツー。

おいしいことはおいしいけど、感心絶賛するというほどでもない。

 

今回のご注文は、新そばの十割と鴨ざる。

鴨ざるは二八の田舎を選んだ。

 

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十割そば(数量限定) 1040円

 

蕎麦はひとまず置いておくとして、この店の特徴は辛汁にある。

甘さ控えめ、すっきり辛めなのは私の好み。

しかし、それに加えてほかの店の辛汁にはない風味が。

 

魚ではない。

このどこか懐かしく、潮の香りを感じさせる風味...。

 

アタシわかっちゃった。

 

これ、昆布だよ昆布(間違ってたらスンマセン)。

 

蕎麦汁に昆布を使うとクセが出てしまうので好みの別れるところではあるが、自分としてはアリ。

ただ、使い過ぎると全体のバランスを崩してしまうので難しいところ。

ここの辛汁も幾分その傾向があるけど悪くはない。

 

最近、関西の辛汁の特徴がわかってきたよ。

すっきり、さっぱり、深みナシ!

誉めてるんだか貶してるんだかわからないけど、たまに関東に帰って蕎麦を食べると辛汁がめちゃくちゃ濃く感じるからこれは確か。

関西風の蕎麦に慣れすぎるのも困りものだ。

 

で、さっき置いておいた蕎麦はどうかといいますと、角はしっかり立ってるし、細すぎず太すぎず、茹で加減も固めでちょうどいい。

若干べしゃっとしているものの水切り十分。

風味もあります。

職人の腕はいいんでしょう。

 

でもね、肝心の蕎麦粉の産地が福井、長野、北海道、埼玉のブレンドって..。

だからなんで?

福井産とあまり出来の良くない北海道の蕎麦粉を混ぜ合わせるってどういう理由なの?

まったくもって理解できない。

新そばならなおさらだよ。

 

お米にもブレンド米はあるけど、やっぱりそれぞれコシヒカリにはコシヒカリの、ササニシキにはササニシキの特徴や味わいがあるじゃない。

炊き立ての銀シャリをウリにしている有名店が「お米は色々な種類をブレンドしてます。テヘ」なんて言ったらどう思うよ?

蕎麦も一緒なんだよ。

プライドってものがないのかね。

 

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田舎そば(粗挽き二八) 単品940円

 

福井と長野の蕎麦粉のブレンドという田舎もそう。

きしめん状にするにはそれなりの考えがあってのことなんだろうけど、表面積が多いもんだからぬめってしまってるし、食感も田舎のワイルドさを減じてるようにしか思えない。

いい店だけに、体裁だけ取りつくろうような残念なことはして欲しくはなかったな。

 

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鴨ざるそば 1550円

 

醤油を効かせた鴨汁は甘味と辛味のバランスがよく濃いめ。

関東の鴨汁に近い味。

関西なので深みはないけど、好みの味ではある。

鴨の質はそれほどでもなさそう。

ただ、鴨団子はおいしかった。

田舎との相性はよくはないかな。

 

けっこう厳しい評価になってしまったけど、それもこれも関西の蕎麦が早く関東の蕎麦に追いつけるようにと願っての老婆心ゆえ。

 

大きなお世話だって?

んなことわかっとるわ!

 

★★★☆☆

 

訪問日:2017年1月7日